昭和硫黄島のタイワンホウキガニ(動画あり)

「昭和硫黄島」は、硫黄島の東約2㎞の海上にあります。大きさは、東西約500m南北約300m、ごつごつとした溶岩でできた無人島です。昭和9年に水深300mで海底噴火が始まり、その後の海底火山の成長によって、島として海面に顔を出すことになりました。

 

図:海上保安庁 海洋情報部の図に加筆

この昭和硫黄島の南側に、海底から硫黄や二酸化炭素を含む火山ガスが湧き出ている場所があります。

2011年、この場所に住む小さなカニが「タイワンホウキガニ」であることが分かりました。このカニは、甲長が約2㎝、赤さび色をし、ハサミの先端に短い毛が生えています。この毛がホウキのように並んでいることから、ホウキガニの名前が付けられています。

タイワンホウキガニは、2000年に台湾の亀山島で世界で初めて発見されたカニで、現在生息が確認されている場所は、台湾の亀山島、昭和硫黄島、十島村の悪石島の3か所だけです。いずれの場所も、火山ガスが海底から噴き出す、生物が住むには過酷な場所です。

なぜこのような特殊な環境にタイワンホウキガニは住んでいるのか?

この大きな謎に加えて、その生態や進化について、鹿児島大学水産学部と台湾の最高学術研究機関である「中央研究院」がタッグを組んで研究を進めています。

今回、台湾チームが調査で三島村を訪れた際に撮影した動画を、三島村で使う許可をいただきました。感謝です!

水中カメラマンのSU HUAIさんは、その作品がナショナルジオグラフィックに掲載されたこともあり、また、国際コンペティションでいくつも賞を受賞している方です。

興味のある方はホームページを訪れてみてください。 

SU HUAI (myportfolio.com) 

それでは、SU HUAIさんが撮影した美しい動画を、どうぞご覧ください。

 

 

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