そのため、たくさんの大学・研究機関が調査・研究を行っています。
三島村には博物館や高等学校、大学等がないこともあり、彼らの研究成果は学術資料の蓄積のみならず、三島村のジオパーク教育の活性化のために必要不可欠です。調査研究についての協定書の締結など、円滑な連携を促進する環境も整い始めています。
鹿児島大学
鹿児島大学で、研究シーズと地域ニーズとのマッチング、自治体等との協働による地域課題の解決とその成果を活かした地域人材育成及び地域再生などに取り組む「産学・地域共創センター」と連携し、附属練習船を用いSDGsの要素を盛り込んだ海洋調査事業の実施をしました。また地震火山地域防災センターと、活火山のある南九州・南西諸島域において特に重要な課題である地震災害・火山災害に対する防災研究・防災教育にも連携して取り組んでいます。 R3年度は標記センターと『「真空乾燥装置」を活用した三島村産品の新たな加工商品研究開発』を共同で進めています。
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鹿児島国際大学
考古学を専門とする中園 聡教授を中心に、三島村黒島にて遺跡発掘調査を行っています。日本では極めて珍しい中世の中国系瓦が出土し中世遺物が多く出土するなど、日本・東アジアの歴史の復元にも資する大きな可能性を秘めた成果を残しています。地質・地形、古植生など自然環境と人間との関わりという点も考慮しながら調査研究をしていただいており、ジオパークの裾野を広げる活動にも尽力いただいています。平成22年から「三島村と鹿児島国際大学の連携協力に関する包括協定書」も締結しており、学生の実地調査やゼミ研修等のフィールドとして三島村を活用していただきながら、地域への貢献も図っていただいています。
九州大学
九州大学の清川 昌一准教授を中心に三島村硫黄島の長浜湾の赤茶けた海水について共同研究を行っています。清川准教授は湾内からは鉄(水酸化鉄)を多く含む温泉が流出しており、この赤い海の底の世界を探る研究を進めています。この研究は具体的な水酸化鉄がどのように海底で形成し、地中に保存されていくのか、初期地球の地球海洋環境を考える上で重要な指針を与えてくれるとともに、将来の鉄資源のあり方を考えさせてくれます。毎年調査に来れられており、より充実した調査を行っていただくため、R3年7月に清川准教授が所属する「九州大学大学院理学研究院」と地質・海洋研究に関する協定を締結しました。
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神戸大学
神戸大学は鬼界海底カルデラ調査を行っており、附属練習船で探査航海を実施しています。調査の結果、7300年前の巨大カルデラ噴火以降の短期間に、32㎦を超える地球上で最大クラスの巨大な溶岩ドームが形成されたことを確認しました。またこの溶岩は巨大カルデラ噴火を起こしたマグマとは異なり、現在の薩摩硫黄島などの後カルデラ火山と同じ化学的特性を示していることが分かっています。令和3年2月に鬼界カルデラ調査についての協定を締結し、カルデラ噴火発生のメカニズム解明と将来予測につなげるべく、より充実した火山活動観測を行います。