三島村・鬼界カルデラジオパーク用語集

あ行

アカホヤ火山灰

約7300年前の鬼界カルデラの大噴火に伴って噴出した火山灰で淡褐色をしています。アカホヤは「役に立たず、利用価値のない赤い土」という意味。この火山灰はなんと東北地方まで飛んでいきました。

アジア太平洋ジオパークネットワーク(APGN)

アジア、オセアニアなどのジオパークが加盟するネットワークで、2年に一度、ジオパーク同士の連携を深めるためにシンポジウムや国際会議を開いています。

硫黄島(いおうとう)

小笠原諸島の南方約60kmのところにある島で、第二次世界大戦末期に日本軍とアメリカ軍との戦いが行われた場所。三島村の硫黄島は「薩摩硫黄島(さつまいおうじま)」と呼ばれ、小笠原諸島の硫黄島(いおうとう)とは区別されている。令和3年8月13日~15日に、硫黄島(いおうとう)の南にある海底火山「福徳岡ノ場火山」が大規模な噴火を起こし、たくさんの軽石を噴出しました。その軽石は薩摩硫黄島でも漂着が確認されています。

稲村岳(いなむらだけ)

硫黄岳の噴火と前後するように誕生した山で、スコリヤ丘と呼ばれるきれいな円錐形の山。玄武岩質の火山です。高さは236メートルで、頂上まで登ることも可能ですが、途中は竹に覆われています。

SDGs(エスディージーズ)

持続可能な開発目標のこと。人間が持続可能な未来を築くための17の目標が掲げられており、貧困や不平等、気候変動、環境劣化、繁栄、平和と公正など、私たちが直面するためのグローバルな諸問題の解決を目指します。ジオパークもSDGs達成のために進められている取り組みです。

か行

海蝕崖(かいしょくがい)

海岸に迫る陸地の突出部が波の激しい浸食によって切り立った崖になります。海蝕崖とは海に面したこの種の地形の総称です。岩石に硬いところ、柔らかいところがあれば、奇形ができやすい。三島村の島々を外から眺めると、海岸は海蝕崖の絶壁をなしています。

火砕流(かさいりゅう)

火山の噴火の際に火山灰や、岩石、火山ガス、空気、水蒸気が一体となって山を流れ下りるものです。その速さは時速数十キロメートルから数百キロメートルで、その流れの先にいた場合、避けることは不可能だと言われています。これらが堆積することで平坦な地形がつくられます。三島村では火砕流によってできた平坦な土地が放牧場として使われています。

カルデラ

ポルトガル語で大鍋を意味する言葉で、大きな火山活動により陥没した、通常の火口より大きな窪地を指します。直径2㎞を超える火山性の窪地をカルデラと呼びます。 噴出量が10㎦を超える噴火の際に形成されることが多いです。

鬼界カルデラ

薩摩半島から約50㎞南の大隅海峡にあるカルデラ。約7300年前の噴火で形成された内側のカルデラと、それ以前に形成された外側のカルデラの二重となっています。この時の噴火では火砕流が九州南部にも達し、九州南部の縄文人を絶滅させたと推測されています。

凝灰岩(ぎょうかいがん)

文字どおり火山灰が凝結した岩石のことで、構成物質の大部分の粒径が 4 mm 以下である火山砕屑岩(かざんさいせつがん)の総称です。

珪石(けいせき)

主に過酸化珪素(けいそ)からなる鉱物。ケイ酸質の鉱物や岩石を資源として扱うときの鉱石名。外観は白っぽいものが多いです。セラミックなどの材料になります。三島村硫黄島にある硫黄岳の鉱山では、硫黄採掘のあとに珪石採掘も行われ、島の産業を支えていました。

玄武岩(げんぶがん)

火山岩の一種で、地球の表面において最も見られる岩石の一つ。そのため分布が広く、地球内部の研究の手掛かりとなります。密度が高く、非常に硬い岩石です。

さ行

シアノバクテリア

酸素を発生する光合成(酸素発生型光合成)を行う原核生物。シアノバクテリアの祖先は30~25億年前に地上に出現し、初めて酸素発生型光合成を始めたと言われています。硫黄島の東温泉が緑色に見えるのは、このシアノバクテリアの葉緑体のおかげ。温泉に生息していることから、好熱性シアノバクテリアであると思われます。

ジオサイト

ジオパークの地質・地形的な見どころのこと。

世界ジオパークネットワーク(GGN)

ユネスコの支援によって、2004年に設立された、ユネスコ世界ジオパーク認定地域が情報や運営のノウハウを交換するためのネットワーク。その事務局はユネスコの環境・地球科学部門にあります。現在GGNには、ヨーロッパと中国を中心とする44ヶ国161地域(2020年7月現在)のジオパークが加盟しています。

俊寛(しゅんかん)

俊寛は平安時代の高僧で、栄華を誇っていた平家に反目して捕らえられ、硫黄島に島流しにされこの地で生涯を終えた、悲劇の僧である。平家物語に語られているこのくだりは、薪能や歌舞伎としても有名な演目となっている。ジオサイトとして俊寛堂など瞬間に関するものも指定されています。平成23年には三島村歌舞伎「俊寛」が故中村勘三郎さんによって公演されました。

た行

大名筍(だいみょうたけのこ)

三島村の特産品。リュウキュウチク(大名竹)という種類の竹で、その昔、お殿様が食べて「うまい」と太鼓判を押したことから名づけられています。アクが少なく、天ぷらやバターソテーなどが絶品です。リュウキュウチクは、火山の影響を受けた土壌にも適応し強く育った、まさにジオの恵みです。4月下旬から6月がシーズン。

タイワンホウキガニ

昭和硫黄島の下にある海底温泉で2011年に発見された小さなカニ。甲長2㎝ほどで、赤さび色をしています。ハサミの先端に短い毛がホウキ状に並んで生えており、これがホウキガニの名前の由来となっています。他にも亀山島、十島村の悪石島で発見例があります。ハサミの毛を使い、岩の表面をこそぐようにして何かを食べているような動きを見せるが、何を食べているのかは分かっていません。元鹿児島大学水産学部教授の鈴木氏により調査研究が進められていました。

柱状節理(ちゅうじょうせつり)

火山性の玄武岩や安山岩に五角形ないし六角形の柱状の割れ目が生じ、ハチの巣に似た形を示した岩石の柱が集合したものです。マグマが冷えて固まる際に、収縮して生じ、これらが地表に流出した溶岩流の近くで、しばしば観察されます。三島村片泊の「塩手鼻」で顕著にみられます。

テゴ

三島村に自生するリュウキュウチク(大名竹)を使った竹かごのこと。タケノコ採りやさかな釣りの際の必須道具。島内でテゴを作れる方は年々減っている。

な行

日本ジオパーク

日本ジオパーク委員会(JGC)によって認定されたジオパークで、ユネスコ世界ジオパーク認定地域も含みます。現在、国内の43地域が日本ジオパークとして活動しています。認定後も4年に一度再審査が行われます。

日本ジオパーク委員会(JGC)

2008(平成20)年5月に発足した日本ジオパークの認定機関です。メンバーは関係分野の専門家等で、4年に一度日本ジオパークの再審査を行います。

ま行

三島村ジオパーク推進連絡協議会

三島村観光案内所や大学などの教育機関、NPO法人など関係者からなる協議会で、三島村・鬼界カルデラジオパークの普及と発展を目指して活動しています。

や行

溶結凝灰岩(ようけつぎょうかいがん)

火山の噴火によって空中に放出された噴出物が地上に降下した後に、噴出物自身が持つ熱と重量によってその一部が溶融し圧縮されてできた凝灰岩の一種です。三島村竹島ではこれを「竹島石」と呼び、丈夫で加工しやすいことから階段の踏み台や墓石、神社の唐猫など様々な場所で活用されています。

ユネスコ世界ジオパーク

2015(平成27)年11月の第38回ユネスコ総会で、世界ジオパークのユネスコ正式事業に昇格しました。この決定により、名称は「世界ジオパーク」から「ユネスコ世界ジオパーク」に変わり、ロゴマークも新しくなりました。現在33か国120地域が認定されています。高い質を維持するため、4年に一度再審査が行われます。

ら行

流紋岩(りゅうもんがん)

流紋岩はナトリウム・カルシウムをおもに含んだ長石、石英・角閃石・黒雲母などを含んだ火山岩です。白っぽい色をしているのが特徴。硫黄岳は流紋岩質の火山です。

旅荘 足摺(りょそう あしずり)

1980年代に硫黄島にヤマハリゾートによって建設された高級ホテルです。現在は閉鎖され、建物もなくなっています。このホテルで観賞用に飼育されていたクジャクが逃げ出し、現在野生化しています。一時は島民より多いといわれるほど繁殖していました。

わ行

ワンデージオクルーズ

三島村・鬼界カルデラジオパークが開催する村営船「フェリーみしま」を使ったクルーズツアーです。不定期ではあるが開催され、一日で3島を巡ることが出来るため、大変人気なツアーです。フェリーの上から霧島山や桜島などが見え、火山の繋がり、ジオパークの繋がりを感じることができます。