硫黄島体験記 小塩紗生さん

2020年3月に硫黄島にきてくれた大学生、小塩紗生さんから、体験を通しての感想をいただいていたので掲載します。

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私は、環境問題と少子高齢化の問題を解決したいという思いがずっとある。

ベースにあるのは、日本が好きで、洪水で日本の森林が失われるのがいやだ!日本に若者の活力が欲しい!といった「日本をよくしたい」という気持ち。ただ、具体的に何をしたらいいのか分からない、、、今年の10月には研究室配属があり、そろそろ進路も決めなければならない、、、そこで、ばりばりの研究者としての道をやめ、現在自然とともに暮らしている大岩根尚さんとお話がしたいと思った。

これは、硫黄島に行く前に、オンラインで尚さんにお話ししたこと。
硫黄島から福岡に帰り、振り返ってみると、自分がしたいことと、尚さんに会いに行く理由がつながっていないのでは?という疑問が浮かんだ。

この違和感について、考えたことは、環境問題を解決したい!と言う以前に、自分は「環境」や「自然」とは何かを捉えられていなかった。だから、環境問題→自然→自然に関わっている尚さんに会いに行こうみたいにぽーんと飛んでいたのではないか。つまり環境問題を解決する上で、「環境」や「自然」とは何か、自分の定義が必要だと考えた。以前、森林の授業で、環境とは何か自分の定義を持ってくださいと佐藤先生が仰っていたのを思い出し、その言葉の意味をようやく自分のこととして納得した。4月から授業、活動で意識し、「環境」「自然」とは何か、改めて確認したい。

 

〇硫黄島で得たこと
硫黄島で得た大きなものは、心から食事を「おいしい」と思う気持ちと、一緒にご飯を食べる仲間と「おいしい」を共有する喜び。
1日目の夜ごはんを食べて、本当に「おいしい~~~~~」と思ったし、「おいしいね~~~~~」とみんなで言い合うのが本当にうれしかった(私のおいしいの顔を見てほしい!!)。
普段、1人で動画を見ながらご飯を食べているとおいしいとはわざわざ言わないし、思いもしない。

物資が簡単に手に入らない場所で、火おこしをして鍋を火にかけたり、大岩根さんと棚次さんが作った作物を食べたりと、調理の過程でありがたさを感じました。今までの食事は、人間は食べるものだから食べるという、日常的な行動がゆえに軽視していたと反省した。

しかし、2日目の昼ご飯にはさっそく「おいしい」という気持ちを忘れて、ただぱくぱく食べている自分がいて、あれだけ心が動かされたのに、食事は当たり前に食べるものだという自分の中への刷り込みが強すぎる、、、衝撃すぎて、一緒に行ったのりちゃんにもまぬけさを報告した。

 

夜にはまた思い出したので一安心。
普段の生活に戻ったら、また忘れそうですが、また思い出したい。
尚さんが食事を食べる時に必ずうんおいしいと言っていたのが印象的でした。

 

〇これからの考え
硫黄島で、私は、おいしいの気持ちを取り戻したけど、心からきれいだ!という気持ちはまだまだ感じられていないと思う(というのも中学生くらいから、何かに圧倒されるという気持ちが薄まっている)。

おいしいと思う気持ちが一気に深まったので、他の感じる気持ちもまだまだ幅があると思うし、日常で薄れている感情を取り戻したらもっと心が豊かな人になれそう!

はっきりとは分からないが、人があらゆる感覚で「自然」を感じ、それぞれの思う「自然」や「環境」を共有することで、環境問題の解決の道筋が見える気がする。

 

そんなわけで、これから「感じる」をテーマに、学んだり、イベントを開いたり、研究したりしたい!さっそく昨日、友だち?仲間?と、お互いの意見を交換し、現在イベントを企画中です。

また、硫黄島の赤い海で、塩鉄味の水を飲みながら目を開けて泳ぐぞ!!!!!

 

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