硫黄島は火山島であり、硫黄岳は常に火山ガスを吐き出しています。火山ガスは生き物にとって危険なものなので、濃いガスを浴びた植物は枯れてしまいます。また、火山ガスが雨に溶けると酸性雨となり、土に浸み込んで植物の根にもダメージを与えます。
椿は、樹木の中で火山ガスに強く、厚くてつるつるした葉っぱは、火山灰が付きにくくその影響を受けにくいとされています。
硫黄島ではそんな椿(ヤブツバキ)の実から椿油を採って加工し、特産品として販売しています。
2023年2/17-19 鹿児島市マルヤガーデンズで鹿児島離島の見本市「&island」が開催され、硫黄島の椿油商品も販売されました。
ラインナップは「かめりあそーぷ」「椿油」「椿油とミツロウのバーム」です。
椿油を贅沢に練りこんだ無添加せっけん「かめりあそーぷ」は、洗顔後のしっとり感と、レトロモダンなパッケージに注目です。椿油は令和5年島内製造初搾りで、製造者の熱い思いが詰まった商品。「椿油とミツロウのバーム」はワークショップが行われており、好きな香りを加えて自分で作ることができました。
マルヤガーデンで店頭に立っていた、硫黄島在住で生産者の棚次さんにお話をお伺いしました。
◆椿の栽培で大変なことはどんなことですか?
やはり、椿畑をきれいに保つことです。雑草、琉球竹の侵入を防ぐため、こまめに草刈りをしています。特に収穫前は、落ちた実を拾うために畑をきれいにする必要があります。収穫は9月の十五夜過ぎなので、暑い時期の作業は楽とは言えません。
◆うれしいことは?
今年初めて、島内で搾油をすることができました。圧搾にはコツがいるのですが、皆で協力してよい油が取れたことが、とても嬉しく励みとなりました。これからは島内製造の量を増やしていきたいと考えています。
◆これからの椿油の姿
島での椿産業が良い方向に向くように心がけています。
加工する椿の実は、高齢の農家さんが持ち込んでくださるものがほとんどです。椿畑の手入れも収穫も手間がかかることなのに、そこで利益がでないと、将来的にはやる人がいなくなります。椿産業が継続するためには、ある程度の利益が必要ですので、今よりもお金が入るようにしていきたいと考えています。
また、椿油を日常生活で使うという島の文化が存続するための活動も大事にしたいです。椿油を使う習慣が消えれば、椿の価値が薄れ、椿山への興味がなくなり、椿産業の先細りを招きかねません。そのためには、椿油を島外に売るだけではなく、島民が使っていける地産地消の仕組みも必要です。そのために昨年度から、持ってきてもらった椿の種と椿油を引き換える「交換プロジェクト」を島内で試験的に実施しています。また、椿油の良さを再発見していただくための「椿油手絞り体験」「バーム作り体験」といったワークショップを、三島村3島でやりたいと考えています。
椿に対する想いをキラキラした目で語ってくださった棚次さん、ありがとうございました。棚次さんは硫黄島の暮らしをSNSで発信されていますので、興味のある方は訪ねてみてください。
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