ウエディのクジャク調査滞在記 2 「インドクジャクが舞う硫黄島?」

2018年から硫黄島に通ってくれている大学生ウエディが、彼が硫黄島で行ってきた調査のことを寄稿してくれました。
今回は第二回め。クジャクの生態について、です。
どうぞ〜!

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こんにちは、ウエディです!

今回は卒業論文で調査していた硫黄島のインドクジャクについてお話します。

タイトルを見てクジャクって飛ぶの!?って思われた方もいらっしゃると思います。

そうなんです、クジャクは飛ぶんです。走って追いかけると、走って逃げてブォーキュォキュォ×nと鳴いて飛んでいきます。あと意外と速く走れます。

そんなクジャクの簡単な紹介を!

硫黄島に住んでいるのはインドクジャクです。元々の出身地はインド、スリランカの周辺諸国です。
インドでは「国鳥」に指定されているにもかかわらず、畑を荒らすので「害鳥」として扱われていたり、サソリや毒ヘビ、害虫などを食べることから「益鳥」としても扱われています。肩書が多いですね。

クジャクはオスとメスでは羽の色が異なります。

オスの特徴は青い首と身体全体が色鮮やかとなっています。

それに対してメスは、

首は緑色で身体全体オスに比べて地味な色となっています。
一般的にクジャクといえば羽を広げた姿をイメージされると思います。実はあの長い羽根は一年の内繁殖期とされるシーズンにしか見ることができません。

硫黄島の繁殖期は2月下旬ごろから8月中旬までとなっています。
繁殖期ではないシーズンはどうなっているのかというと、

このように綺麗な長い羽根が抜け落ちた状態になっています。
羽は7-8月頃に抜け落ちるので、夏の間はクジャクの羽を拾って持ち帰ることができますよ!

これがひと夏の成果です!お土産に配ったりもしました。
これ以上の束を持って新幹線で鹿児島中央から新大阪に帰った時、10月なのに日焼けしまくってロン毛の男が大量のクジャクの羽を持っていたので、かなり不審がられたのもいい思い出です。。。

中にはかなり珍しい小さいサイズもありました!運が良ければみつかるかも!
クジャクの羽、夏限定のお土産としていかがでしょうか?

そして一昨年はこんなところにもクジャクの羽が使われました!

島で行われた結婚式の際、

時には新郎のブローチの中に、

そして、時には新婦のブーケの中に!

クジャクたちもこんな使われ方想像もしていなかったと硫黄島のクジャクたちの間で語り継がれるでしょう。

 

さてクジャクの話に戻ります。硫黄島にはどのくらいのクジャクが住んでいるんでしょう?

以前は300-400羽と言われていましたが、自転車を乗り回し何か月も数を数え続けたところ多く見積もっても30-40羽しかいないことがわかりました。

硫黄島のクジャクの主な生息場所は青い丸で囲んでいる牧場と、赤い丸で囲んでいる集落周辺です。
硫黄島では季節によってメスがこの二つの場所を移動して活動しています。

何のためにクジャクのメスは移動しているんでしょう?

それは繁殖と子育てと関係しています。硫黄島では2-5月にかけてほとんどのメスが集落に集まり学校の校庭や墓地、集落内の空き地でオスからの求愛を受けるため集まってきます。集落での求愛が終わるとメスたちは牧場へと移動します。今度は牧場にいるオスたちに求愛を受け、牧場周辺で産卵し子育てをします。

そして、夏から秋にかけてヒナが生まれ、母鳥とともに行動します。

硫黄島には見ると幸せになるという白いクジャクがいます。メスが一羽だったのですが、去年白いメスから一羽の白いヒナが誕生しました!

こうして今は親子の白クジャクを見ることができます!

クジャクの一日は高い木の上で終わります。シルエットが風見鶏のようでカッコイイです。

 

そして、クジャクの観察を牧場でたまたまであった光景が海に沈む夕日です。

僕はこの景色が一番好きです。風を感じてクジャクの鳴き声を聞きながら夕日が海に沈むのが見られるのは硫黄島だけ!

この景色を見ていると何もかも忘れることができ心が落ち着きます。

 

夕日が沈んだので今回はここまで、ありがとうございました。

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