畑、はじめました

硫黄島に引っ越してきて、早いもので2年。
去年も畑をやってみたのですが、あまりうまくゆきませんでした。
そもそも出張も多かったし、あんまし畑に気を向けられなかった。
(出張から帰ったら生ゴミとして埋めてた南瓜が勝手に育って実ってたのは笑ったけど。)

今年も忙しくなりそうだけど、それでも畑はやりたいなー、と思ってはじめてみました。

今年は、すでに10種類近くの種子を撒き、芽がでてきています。

こいつら、かわいい。
まだまだか細くてか弱くて、カタツムリなんかに食べられたりしてます。
がんばれー、負けるなー、強く育てよー、と言い聞かせながら様子を見てまわってます。
育ってくの、楽しみだなー。

畑を始めた理由は、2年間暮らしてきて実感した、島の食料自給率の低さです。
島って食材が豊かなイメージがなんとなくあるけど、とくに硫黄島ではほとんど農作物を育てていません。それは、孔雀と火山のせい。

孔雀のやつ、観光にきたお客さんは喜んでくれるのですが、畑を荒らしにくるんですよねー。
生えてきた植物を引っこ抜いたり、畑を意味なく踏み荒らしたりする。
幸いうちの畑の植物はまだ引っこ抜かれてませんが、何箇所か踏み荒らされています。
愛情をかけて育てた畑にそんなことされたら腹がたつので、畑に近づいてるのみたら全力で脅かして、二度と来ないように仕向けます。どうせまたすぐ来るけど。

火山、というのは、火山ガスや酸性雨です。
東風が吹くと硫化水素の匂いが立ち込めますが、そのガスだったり、それが雨に溶け込むと、目にしみるくらい酸性の強い雨となってふってきます。それが作物によくないらしい。
もともと酸性に強いさつまいもなんかは大丈夫らしいです。

そんなわけで、孔雀と火山のせいであんまし農業は盛んじゃないのです。
島には専業農家はいません。

条件が悪いとはいえ、自分で野菜を育てて食べるって豊かだよなー、と思うし、
なるべく化石燃料を使わずに生活したい。
作物が畑に育ってれば冷蔵冷蔵する必要もないし、遠くから輸送する必要もなくなる。
輸送に頼ってたら東海・東南海の地震がおこったときにたぶんフェリーが来れなくなるから、少しでも自給できたほうがよいと思っています。なるべく人が作ったシステムに頼らない方が、災害時に強い。
もちろん面倒は多いけど。

お魚を釣ったり獲ったり、そのへんの野草を食べたりと、生態系からの恩恵を得て生きると、難しいこと抜きで海をきれいにしたいとか、山をきれいにしたいという気持ちが湧いてくるようになりました。

と、いろいろ真面目くさいこと書いてますが、植物が育ってく様子を見るのって楽しいんです!

可愛いこいつらの様子を、また報告しますね。

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